書評
—竹内一夫著—図説 臨床脳神経外科学
黒岩 義五郎
1
1九大神経内科
pp.628
発行日 1967年6月1日
Published Date 1967/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202232
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竹内博士は,東京大学・清水外科において,畏友佐野圭司氏につづいて脳神経外科をスタートされ,つづいて東京大学脳神経外科から虎の門病院の部長となり,沖中院長の下に活躍しておられる。私は本書を拝見して,竹内博士がその後20年の経験をいかに有効に蓄積して,かかる実用的な一書を結実させたかを深く感ずるものである。本書は表題のごとく目で見る本であり,豊富な写真版は鮮明で私ども内科の者にとつてもきわめて教育的であり,有効な教材ともなると思われる。
またその図説の内容は,脳外科病院のあり方について国内,国外の例を示し,検査室,手術器械開頭術,リハビリテーション室など他の著書には数少ない実際的な例を示している。また病気については,頭部外傷について各種骨折,頭蓋内出血,硬膜下血腫など20の項目にわたつて症例,患者の写真,レントゲン写,血管写,手術時所見などの実例が含められている。脳外科の専門を学ぶもののみならず,交通災害に対処する一般外科医もかかる実例をみることにより,頭部外傷の処置に大いに有用であると信ずる。
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