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CO2 Micro-Bubble Embolizationによる肝癌,特に門脈内腫瘍栓治療の試み—俗称:冷やし缶ビール動脈内注入法
Managemenr of portal tumor thrombus of hepatom using CO2 micro-bubble embolization: so called "cool beer therapy"
島村 善行
1
,
長谷川 博
2
,
山崎 晋
2
,
幕内 雅敏
2
,
角本 陽一郎
3
Yoshiyoki SHIMAMURA
1
1国立療養所松戸病院外科
2国立がんセンター外科
3日本鋼管病院外科
pp.1768-1772
発行日 1983年12月20日
Published Date 1983/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208510
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はじめに
Transcatheter Arterial Embolization(TAE)は切除不能な肝癌に対して著明な延命効果があることは近年よく知られており,目本における草分けであり,かつ最多数の治療経験をもつ山田らによると,1年生存率は44%であると報告されている1).しかしこのTAEは門脈内腫瘍栓に対しては効果が期待薄である.特に門脈本幹ないしは右枝本幹にまで腫瘍栓が伸展してきている場合には,原則的には適用外で禁忌とすら考えられている。その理由は,動脈塞栓術で血行が遮断された場合には,既に門脈も腫瘍栓で塞栓遮断されているため,広範な阻血性壊死による肝不全が起きる危険が大きいからである.
このようなTAEの適用を阻む壁を打破するには,門脈内腫瘍栓を壊死に陥らしめるような,今までとは次元の異なる方法論の開発が必要であつた.著者らはこの点につきCO2 micro bubble embolization(俗称:冷し缶ビールの肝動脈内注入法cool beer therapy)を開発したので報告する.
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