Japanese
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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
D.消化器疾患
肛門周囲膿瘍
Perianal abscess
岩間 達
1
Itaru Iwama
1
1埼玉県立小児医療センター消化器・肝臓科
キーワード:
肛門周囲膿瘍
,
十全大補湯
,
排膿散及湯
,
クローン病
,
慢性肉芽腫症
Keyword:
肛門周囲膿瘍
,
十全大補湯
,
排膿散及湯
,
クローン病
,
慢性肉芽腫症
pp.506-507
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001280
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1 疾患概念
肛門周囲膿瘍は乳幼児期に好発する疾患であるが,その名のとおり肛門周囲に形成された膿瘍で感染経路は2通り存在する。つまり,おむつ皮膚炎など皮膚の炎症から毛囊炎となり膿瘍を形成する経路と,肛門陰窩から細菌が侵入し炎症をきたし,肛門周囲の皮膚まで膿瘍を形成する経路である1)。乳児期特有の緩い便性,腸管免疫の未熟性,肛門陰窩の易感染性などが関与しているといわれている。乳児期の男児に好発し(男:女=1:9),再発例もあるが概ね1歳ころには自然軽快することが多い2)。重症・難治例や2歳以降での発症例では慢性肉芽腫症を代表とする好中球機能異常症などの原発性免疫不全症やクローン病などの基礎疾患を考慮する必要がある。
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