特集 漢方で支える子どものQOL
各論
肛門周囲膿瘍
伊勢 一哉
1
ISE Kazuya
1
1山形県立中央病院小児外科
pp.335-337
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002296
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はじめに
肛門周囲膿瘍は,乳児ではよくみられる「お尻のできもの」である。以前,外来で体を押さえつけられて行われていた切開排膿は,今ではほとんど行わず,漢方治療が主流になっている。漢方治療によって,病変は自壊を促され排膿するかあるいは膿が増えず鎮静化へ進む。自壊した場合でも,十分排膿された後に創傷の自然治癒により閉鎖し傷痕は残りにくい。つまり,外科的に切開してドレナージするのではなく,保存的に自壊を促してドレナージさせて自然治癒を待つ戦略である。

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