特集 どう診るか?どこまで診るか? 小児の軽症外科
9.肛門周囲膿瘍
古澤 敬子
1
,
宮田 潤子
1
,
伊崎 智子
1
,
岩中 剛子
1
,
江角 元史郎
1
,
木下 義晶
1
,
田口 智章
1
1九州大学大学院医学研究院小児外科学分野
キーワード:
肛門周囲膿瘍
,
乳児痔瘻
,
切開排膿
,
排膿散及湯
,
十全大補湯
Keyword:
肛門周囲膿瘍
,
乳児痔瘻
,
切開排膿
,
排膿散及湯
,
十全大補湯
pp.55-61
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000312
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肛門周囲膿瘍は,外来で遭遇する機会の多い疾患である.生後2~3カ月頃に好発し,男児が圧倒的に多く,1歳以降に発症することはまれである.本症の治療は,切開排膿が第一選択とされていたが,近年,十全大補湯や排膿散及湯などの漢方薬を用いた治療の有効性を示す報告を多く認める.難治例では免疫不全や炎症性腸疾患に起因する症例も含まれ,再発例や年長児においても,精査や手術が必要となるため,専門医への転医が検討されるべきだろう.しかし,乳児男児における合併症を伴わない典型例については,小児科外来での漢方薬治療継続も選択肢の一つとなり得ると考える.
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