特集 外科外来マニュアル
私の治療
腹部
外鼠径ヘルニアの嵌頓
植松 義和
1
1足利赤十字病院外科
pp.746-747
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208010
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□概説
外鼠径ヘルニアの嵌頓は2歳以下特に生後6カ月以内の男児が圧倒的に多いが,高齢男子にもみられる.乳児検診の普及などにより近年は嵌頓例も,緊急手術例も減つてきた(表1).発症より来院までが短時間で,十分な麻酔が得られれば用手整復は大多数例で可能なはずである.腫瘤の発赤,局所の熱感があれば用手整復は禁忌である.用手整復はその可能性を冷静に判断し,十分に準備してから始めることが大切である.整復法の基本的知識に乏しいまま粗暴な操作により腸管を損傷させてはならない.判断できかねるときは躊躇なく直ちに上級医の応援を求めるような慎重な態度が要求される.
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