Japanese
English
--------------------
腹膜側外鼠径膀胱嵌頓ヘルニアの1例
A STRANGULATED PARAPERITONEAL INGUINAL HERNIA OF URINARY BLADDER
海野 良二
1
,
伊藤 巖
1
,
長谷川 俊郎
2
Ryoji Unno
1
,
Iwao Ito
1
,
Toshiro Hasegawa
2
1国立世田谷病院皮膚泌尿器科
2国立世田谷病院外科
1Department of Dermatology and Urology, Setagaya National Hospital
2Derpartment of Surgery,Setagaya National Hospital.
pp.182-185
発行日 1958年2月1日
Published Date 1958/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202190
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
膀胱ヘルニァとは膀胱の一部分が生理的或いは病的に抵抗減弱せる筋肉孔隙を通じて外方皮下に脱出するものを称し,此際脱出せる膀胱部は其の解剖学的関係により,腹膜にて覆われざる事が屡々であつて,寧ろ膀胱脱と称すべき場合が多い。従来膀胱ヘルニアとして報告せられているものは,1520年Gtiovanni Domenico Sala教授が始めて第1例を報告して以来,西欧に於ては既に数100例の報告がなされているが,此の中には所謂手術時の膀胱ヘルニアなるものが多数含まれて居り,真の膀胱ヘルニァはその一部分に過ぎず比較的稀有なる疾患の様である。
本邦に於ては,池田,鈴木及び中野,安藤の各1例,岩島の2例,宮内,朴の各1例,計7例の報告があり,此の内朴の症例は子宮両側附属器及び膀胱を内容とせるものであり,他はいずれも外鼠径ヘルニアである。余も亦最近此の1例を経験したので,茲に報告する次第である。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.