特集 小児鼠径ヘルニアupdate
嵌頓鼠径ヘルニア:最近の実情
益子 貴行
1
,
東間 未来
1
,
矢内 俊裕
1
Takayuki Masuko
1
,
Miki Toma
1
,
Toshihiro Yanai
1
1茨城県立こども病院小児外科
pp.69-72
発行日 2026年1月25日
Published Date 2026/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001436
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はじめに
嵌頓鼠径ヘルニア(以下,本症)とは,脱出したヘルニア内容が元の位置に戻せないもので,臓器の血行障害や腸閉塞をきたす状態を指す1)とされ,非還納性ヘルニアは,脱出臓器の還納が困難ではあるが,血行障害などは生じていない状態をいう1)とされている。救急外来では,まず血流障害の解除を目的とした用手還納が試みられるが,成功しなかった場合は緊急手術が避けられない。一方,用手還納が可能であった症例に対して,そのまま手術を施行するか,待機期間を置くかについては施設によって判断が異なり,明確なコンセンサスは得られていない。本症の2/3は1歳未満の乳児期に発症する1)とされ,この年齢層では症状の聴取が難しい。精巣や腸管の血流障害の程度を迅速に評価する必要があるため,臨床判断に慎重さが求められる。また,近年では小児の緊急手術においても腹腔鏡手術の適応が拡がっており,本症に対する腹腔鏡の有用性や術後合併症への影響についても多数の報告が蓄積している。

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