Japanese
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特集 緊急手術の手技・Ⅱ
嵌頓鼠蹊ヘルニア
Incarcerated inguinal hernia
香月 武人
1
Taketo KATSUKI
1
1鹿児島大学医学部第二外科
pp.1361-1364
発行日 1969年10月20日
Published Date 1969/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204956
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はじめに
小腸閉塞症の少なくとも80%が手術後癒着および嵌頓ヘルニアによるといわれ,全腸閉塞症の約半数がヘルニアの嵌頓によるとも報告されている,従つて,とくに腹部手術の既往のない症例の小腸閉塞に際しては,鼠径ヘルニア・股ヘルニア・臍ヘルニア・その他の稀なヘルニアの存在とその嵌頓の有無にまず疑診の目を向けねばならぬ.
嵌頓ヘルニアの治療方針と予後を左右する主たる因子は,脱出腸管(大網・卵巣などのこともあるが,普遍的な小腸について論述する),絞扼(strangulation)の有無および嵌頓(incarceration)によつて発生した腸閉塞症状の持続時間である.
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