診療基本手技 知っておきたい他科疾患のfirst aid
鼠径ヘルニア嵌頓
遠藤 幸男
1
,
西崎 統
2
1聖路加国際病院・外科
2聖路加国際病院内科
pp.554-555
発行日 1985年3月10日
Published Date 1985/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219686
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還納性ヘルニアが非還納性となり,ヘルニア門で絞扼され,ヘルニア内容の血行障害を起こした状態である.時間とともに疼痛が強くなり,緊満し,やがてはヘルニア内容の壊死に陥るため至急還納させなければならない.
診断は容易で,鼠径部に緊満性の圧痛ある腫瘤を触れる.時間がたち皮膚の発赤や熱感を伴うと,内容の壊死を疑わせる.内容が腸管のときは絞扼性イレウスの状態となり,腹満,腹痛,嘔吐,腹膜炎,ショックなどを併発してくる.
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