特集 術後1週間の患者管理
合併症を有する場合の患者管理
出血性素因を有する場合の患者管理
大城 孟
1
1大阪大学医学部第2外科
pp.697-703
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207694
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外科領域において出血性素因を見逃がすことは患者の致命傷にもなりかねない.そこでわれわれ外科医は術前後を通じて出血傾向の有無に注意し絶えず患者の全身状態を観察しなければならない.
出血性素因をおこす成因は大別して血管異常・血小板異常・血液凝固異常(低下)・血液線溶異常(亢進)の4つに分けられる.ゆえに出血傾向有りと診断した場合には,その出血傾向がどの因子により発現したかを明らかにし直ちに原因療法ないし対症療法を行なう.症例によつては複数の成因が関与し診断に困ることがある.その代表的な疾患が肝硬変症および血管内凝固症候群(DIC)である.
出血傾向はその対策が遅れるとさらに増悪しやがては止血困難な状態に陥り失血死する.そこで何よりも早期発見,適正治療が強く望まれる.
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