2色ページ ナースと臨床検査・10
出血性素因
寺田 秀夫
1,2
1聖路加国際病院内科
2臨床病理科
pp.620-623
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916650
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出血性素因とは
外傷や手術などの原因なくして,また消化管潰瘍や食道静脈瘤の破裂などの局所かちの出血は別として,普通なら出血しないような軽い外傷,たとえば入浴中に背中をこするとか,採血のためにゴムバンドをしめるなどの原因で,皮膚や粘膜下にムシピンの頭くらいの小さな出血斑(これを紫斑petechiaeとよぶ)を生じたり,また軽い打撲や注射などにより,その部位に小指頭大から鶏卵大にいたるいろいろの大きさの出血斑(溢血斑,ecchymoses)をみとめたり,また抜歯後止血しにくいとか,また何の誘因もなくて,鼻出血や歯肉出血などが出現する状態などをすべて含めて,出血性素因(hemorrhagic disposition)とよぶ.
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