創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
治療に必要な臨床検査の要点
出血性素因検査
山中 學
1
1東京大学医学部附属病院中央検査部
pp.872-873
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208784
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出血性素因の診断に必要なことは,出血性素因の有無を確かめることである。出血性素因とは止血機構の異常に基づく異常出血を主徴とし,全身的にその状態を呈するものであつて,単に鼻粘膜の特定部位の病変による出血や,消化性潰瘍からの出血による下血や吐血,さらに痔出血のような,局所的に血管壁に加えられた侵襲が,正常に機能する止血機構よりはるかに大きく,止血ができないための出血とは区別しなければならず,多くの場合,出血の原因となる局所的病変が見出される。しかし鼻出血や歯肉出血などは,多くの出血性素因の出血症状の1つとして頻発するので,必ず出血性素因検査を行なう必要がある。
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