特集 術後1週間の患者管理
合併症を有する場合の患者管理
アレルギー性喘息を有する場合の患者管理
岩 喬
1
,
佐藤 日出夫
1
1金沢大学医学部第1外科
pp.689-691
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207692
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アレルギー性喘息を有する患者では,術後手術侵襲により内因,心因あるいは感染が引き金になつて,しばしば重篤な発作が出現する.この発作は気道に対し,気管支平滑筋攣縮,粘膜浮腫,気道分泌物の増加の3病態をおこし,二次的に循環動態の変化,低酸素状態をおこす.ステロイド等の治療薬剤の副作用を相伴つて術後の創治癒の遷延,感染の増悪といつた,時には致死的な合併症の発現に連なる.
発作に対する治療法は,①02吸入療法,②aerosolの吸入療法,③静脈的薬剤療法,④抗生剤の投与で,発作の24時間以上の持続,上記療法に抵抗する場合(すなわちStatus asthma—ticus)では,挿管による人工呼吸管理が必要となる.喘息発作の既往を有する患者では術後の一般管理と共に症状の発現に留意し,予防及び早期症状の発見につとめ,治療をすみやかに行ない,発作による合併症の発現を防止しなければならない.
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