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特集 今日の癌免疫療法
癌免疫・化学療法の実際—薬剤選択から成績まで—私の処方;OK−432腫瘍内大量投与
Cancer immunochemotherapy; large-dose intratumoral injection of OK-432
服部 孝雄
1
,
新本 稔
1
,
山県 司政
1
,
谷 忠憲
1
,
峠 哲哉
1
,
原田 達司
1
Takao HATSUTORI
1
1広島大学原爆放射能医学研究所外科
pp.1433-1440
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207040
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はじめに
近年腫瘍免疫学の急速な進歩により,がんの免疫療法の可能性が明らかにされ,一方では直接的な殺細胞的効果をねらつた制がん化学療法の効果ののびなやみもあつて,がんに対する免疫療法は一躍大きな注目をあびるようになり,過大な期待さえもたれている.しかしながら,現在臨床に用いられている免疫賦活療法は,あくまでも非特異的なもので,これは将来の特異的な免疫療法への一つのステップにすぎない.がんの免疫療法はまだそのような初歩的な段階にあることを認識すべきであろう.現在わが国で実際に用いられているものとしては,溶連菌製剤(OK-432,ピシバニール),さるのこしかけから得られた植物多糖体PS-K(クレスチン),しいたけから得られた植物多糖体レンチナン,などのほかに,細菌製剤としてBCGまたはBCG-CWSや,嫌気性コリネがあげられよう.本稿ではその中でわれわれが独自に開発をすすめてきたOK-432の腫瘍内大量投与について,実験的ならびに臨床的成績をのべたい.
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