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特集 今日の癌免疫療法
特別寄稿
アメリカにおける癌免疫療法
Recent cancer immunotherapy trial in the U.S.A.
入江 礼子
1
,
樋口 正臣
1
Reiko IRIE
1
,
Masaomi HIGUCHI
1
1カリフォルニア大学外科腫瘍免疫部門
pp.1441-1449
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207041
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はじめに
今世紀の初頭,齧歯類の腫瘍移植実験で,強度の移植免疫が成立し,移植片の拒絶が起こるとの報告がなされて以来,担癌生体の悪性腫瘍に対する拒絶反応を期待して基礎及び臨床医学の面から数多くの人癌に対する免疫療法が試みられた.
しかし,その後,動物腫瘍に成立した腫瘍免疫は癌特異抗原に対してではなく,組織適合抗原に対するものであつた事が明らかになつた事,また悪性腫瘍の自然退縮例が臨床上みとめられるが,アジュバント療法としての自家癌ワクチンの臨床応用は期待した程効果がなかつた事,手術,放射線,化学療法の飛躍的進歩により癌治療成績が向上した事などにより,免疫療法に対する臨床的関心は一時期,薄らいだかにみえた1).
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