Japanese
English
臨床研究
早期乳癌(Potentially curable breast cancer)に関する考察—自験例からみて
The concept of potentially curable breast cancer;clinical and pathological study
山本 浩
1
,
七沢 武
1
,
芳川 博哉
1
,
森谷 宜皓
1
,
松江 寛人
2
,
岡崎 正敏
2
,
上井 良夫
3
,
小林 利次
4
,
広田 映五
5
,
阿部 令彦
6
,
渡辺 弘
7
Hiroshi YAMAMOTO
1
1国立がんセンター外科
2国立がんセンター放射線科
3国立がんセンター細胞診検査室
4国立がんセンター生理検査室
5国立がんセンター病理
6慶応義塾大学医学部外科
7聖マリアンナ医科大学第1外科
pp.131-138
発行日 1978年1月20日
Published Date 1978/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206885
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はじめに
Halsted,Meyerら先人達によつて確立された乳癌の根治手術術式は今なお世界各国において主流をなし,その成果は高く評価されている.そして根治的乳房切断術(以下乳切)以下の如何なる手術も不合理であると強く主張する者が多い.しかし一方,非定型乳切およびその他種々の術式を支持し,これが特に臨床病期,組織像による悪性度に応じた適切な外科治療法として容認された結果,定型乳切に対して批判的立場をとる者も少なくない.欧米ではこの問題に関して既に多くの評価がなされているが,わが国でも最近手術の縮小化を試みようとする趨勢にある.そこで手術術式の選択にあつては,まず治癒が期待される乳癌の分析が当然必要となつてくる.従つてその中でも所謂早期癌のcriteriaを明確に定義し,その成績を検討することは極めて重要であると考えられる.
以下に述べる内容は予後良好な早期における癌(早期癌およびMinimal Cancer)を検討し,その意義と非定型術式に関する考察を行ない,更に今後の治療体系を確立することを意図したものである.
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