Japanese
English
臨床研究
ガストリン産生悪性腫瘍によるZollinger-Ellison症候群の胃全摘後の経過について
On the post-total gastrectomy course in the Zollinger-Ellison syndrome induced by malignant gastrinoma
遠藤 巌
1
,
杉浦 芳章
1
,
長嶺 信夫
1
,
東 哲之
1
,
野原 雄介
2
,
赤松 隆
3
,
男全 正三
4
,
佐島 敬清
4
,
三角 二郎
4
Iwao ENDO
1
1琉球大学付属病院第2外科
2琉球大学付属病院中検病理
3琉球大学付属病院成人保健学科
4横浜市立市民病院
pp.139-145
発行日 1978年1月20日
Published Date 1978/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206886
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はじめに
Zollinger-Ellison症候群(以下ZES)はgastrin産生腫瘍(以下,ガ腫と略す)やその転移巣から分泌されるgastrinにより惹き起こされる3,21)が,ガ腫は悪性であつても悪性度が低く,胃全摘により転移巣が縮小,消失し5,21),予後は良好とされ,胃全摘後の患者が腫瘍死するとは考えられていなかつた.ところが本症の長期観察例が増えるにつれ,胃全摘術後も腫瘍死する患者があることがわかり,併用療法が必要と考えられてきた13).われわれは本症の1例を経験したが4),胃全摘後の約4年間の経過が特異であつたので自験例を中心にしながら,悪性ガ腫の胃全摘術後の経過,経過観察の指標,治療について述べる.
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