Japanese
English
特集 胃全剔
再建法とその成績
β型吻合
Esophagojejunostomy with β anastomosis
榊原 宣
1
Noburu SAKAKIBARA
1
1東京女子医大消化器病センター
pp.319-325
発行日 1974年3月20日
Published Date 1974/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205989
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はじめに
近年,胃癌に対する診断技術の発達はめざましく,早期診断,早期治療に関心が向けられてきた.しかし,なおわれわれの前に治療を希望してくる患者の中に,胃全剔を必要とする進行癌患者も少なからずある.そのため消化器外科において,胃全剔もきわめて日常的な,いつでも,どこでも,誰でも行なうことができる手術となりつつある.しかし,適応のある患者に胃全剔を行なつた後の再建術式の選択については手術の安全性,術後の愁訴,および遠隔成績などの点から問題が多く,多種多様の術式が試みられている.これら術式は大きく2つに分類することができる.その第1は中山1)による食道空腸β型吻合に代表される食餌が十二指腸を通らない術式である.胃全剔後,十二指腸切離端は閉鎖され,食道と空腸とが吻合される.その第2は中山2)の食道十二指腸端端吻合,瀬尾3)4),中山5)の食道十二指腸間空腸有茎移植に代表される食餌が十二指腸を通る術式で,胃全剔後,食道と十二指腸とを吻合するもの,あるいはこれらの間に代用胃をおく方式である.
ここでわれわれの施設でもつとも多く行なわれているβ型吻合を中心にのべてみたい.
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