Japanese
English
臨床研究
膵癌の早期診断
Early diagnosis of carcinoma of the pancreas
土屋 凉一
1
Ryoichi TSUCHIYA
1
1長崎大学医学部第2外科
pp.1251-1254
発行日 1973年9月20日
Published Date 1973/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205879
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はじめに
膵癌は,消化管癌の中で今なお外科的治療成績の悪いものの1つである.この成績を向上せしめる手段としては,手術手技の改良,根治性のより高い術式の開発等,技術的な面で残された問題が若干あるにしても,根本的には一に早期診断,早期手術にあると考えられる.
約20年前,胃癌の手術成績は甚だ劣悪なものであつた.にも拘らず外科医は時に長期生存例を経験するので,孜々として拡大根治手術を行ない治療成績の向上に努力してきた.しかしレ線検査技術の進歩,内視鏡の開発は早期胃癌の概念を確立し,これら検査法の普及および集団検診への応用は,早期胃癌の発見を可能とし,早期手術により多数の胃癌永久治癒例を得るという飛躍的な治療成績の向上をもたらしたのである.
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