グラフ・1【新連載】
膵癌の診断—早期発見のために
高木 國夫
1
,
竹腰 隆男
2
,
大橋 計彦
2
,
丸山 雅一
2
1癌研究会附属病院外科
2癌研究会附属病院内科
pp.98-102
発行日 1982年1月20日
Published Date 1982/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207873
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膵癌による死亡率は年々増加し,1980年には7,835人に及び,がん部位別死亡の第4位になつて,消化器癌の中で,克服しなければならないものになつている.最近,各種の検査法が開発され,膵癌の診断は従来に比して容易になつて来たが,膵癌の早期診断は,困難で,膵内に限局した癌の報告は少ない.われわれは,1978年に膵頭部の小膵癌をアミラーゼ上昇のきつかけで発見して以来,膵癌の早期発見に努力し,1979年来の3年半に5例の早期膵癌を発見した.
しかし,膵癌診断の各種検査法(ERCP,US,CT,血管造影)の膵癌診断にしめる役割,すなわち,スクリーニング,病変の発見ならびに診断,切除可能性の検討が重要である.今後,シリーズで膵癌例について供覧し,各種検査の意義を各々の症例について述べてみると共に,膵癌の早期診断についても言及したい.
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