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特集 緊急手術後の合併症・Ⅱ
Poor risk患者の緊急手術後の感染症
Postoperative infection of emergency operation in poor risk patients
隅田 幸男
1
Sajio SUMIDA
1
1国立福岡中央病院心臓血管外科
pp.473-481
発行日 1971年3月20日
Published Date 1971/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205325
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はじめに
Poor riskで緊急手術をうける患者の体力あるいは抵抗力は衰弱しているので感染しやすく,いつたん感染すると病状はさらに重篤となり,時として菌血症へ,つづいて細菌性shockへと発展する.元来,完全に無菌的な術創はあり得ない.むしろ,創は全て細菌の発育にとつては最適の温度と湿度をそなえた培地なのであるから,患者の抵抗力が低下している場合には,如何に清潔な術創でも結果的には容易に汚染し感染に導く.患者の皮膚,鼻咽腔,大気,術者の手指,手術器具類などは感染のごく普通の原因となる.したがつて,開放創を伴つた外傷の揚合,感染は必発する.
手術侵襲そのものによる疲憊あるいは術創の痛みによつて体動が制限されるために,二次的に生じる感染もある.
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