Japanese
English
特集 緊急手術後の合併症・Ⅱ
急性膵炎とショック
Shock in acute pancreatitis
村田 勇
1
,
広野 禎介
1
Isamu MURATA
1
1富山県立中央病院第1外科
pp.457-468
発行日 1971年3月20日
Published Date 1971/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205324
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はじめに
急性膵炎は,従来より比較的まれなる疾患と考えられていたが,近年になり,本症に対する一般の認識が高まり,かつ,診断技術の向上とも相まつて,年々増加の傾向にある.本症の治療方針としては,以前より,内科的保存療法が第一義的とされてきたが,急性膵炎の診断は,しばしば困難であり,とくに,胃・十二指腸穿孔,絞扼性イレウスなど緊急に外科的処置が必要な急性腹症との鑑別が難しい場合が多いので,最近になり,本症に対する早期開腹の必要性,外科的療法の意義が,再検討されつつある8)14)18).
われわれも,急性膵炎に関しては,以前より,臨床的に種々検討を行ない,その診断,治療につきたびたび報告し7)9)10),早期開腹による早期診断,早期治療の必要性を強調してきた.現在までに,われわれが,外科的治療を行なつた急性膵炎症例は94例であり,その大部分は,急性腹症として来院したものである(第1図,第1表,第2表).
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