特集 日常診療上の狙いと盲点・II
Poor obstetrical historyの対策
鈴木 雅洲
1
,
高橋 克幸
1
,
五十嵐 彰
1
Masakuni Suzuki
1
1東北大学医学部産婦人科教室
pp.413-417
発行日 1973年5月10日
Published Date 1973/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204825
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妊卵の着床から分娩までの経過中,妊婦は産科本来の疾患のほかに,いろいろな合併症を併発することが少なくない。そしてこれらの症状が強いときには,しばしば妊娠が中断される。また,妊婦のもつ遺伝的因子や素因が原因のために,健康な児を娩出できないこともある。Poor obstetricalhistoryとはこれら諸々の原因により,妊娠の継続ができなくなる産科上の既往歴をさすものと考えられる。その中で,最も頻度の高い主な疾患をあげると,習慣性の流早産,死産,慢性妊娠中毒症などがあるが,そのほか,慢性腎炎や糖尿病などの慢性疾患との合併,遺伝性疾患などがあげられる。ここでは,編集部からの要望により,主に流早産,死産などの習慣への対策,その原因と予防について述べることとする。
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