講座 リハビリテーションの基礎知識・2
対麻痺のリハビリテーション
吉田 一郎
1
Ichirô YOSHIDA
1
1中部労災病院 理学診療科
pp.1623-1628
発行日 1967年11月20日
Published Date 1967/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204465
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はじめに
外傷性脊椎損傷に合併して発生する脊髄損傷を中心とする対麻痺(Paraplegia)は,リハビリテーション医学の特に重要な問題といえよう.過去においては,ほとんどの患者が悲惨な生活を余儀なくされ,また死亡率も高かつたこの疾患も医学の進歩,社会の理解などによつて,現在ではその死亡率も問題とし得ないほど低率であり,また充実したリハビリテーションによつて,社会復帰,幸福な家庭生活,さらには職業生活への途を進むものが増加しつつある.
しかしながら脊髄損傷患者にあつては,終生治癒し得ない麻痺と,尿路系を中心とする健康管理を常に必要とし,社会復帰への重大な条件である肉体的,家庭的,さらに経済的職業的問題について困難な障害が山積している.
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