Japanese
English
姿勢・位置異常アトラス3
屈曲性対麻痺
Paraplegia in Flexion
岩本 奈津
1
,
塚越 廣
1
Natsu Iwamoto
1
,
Hiroshi Tsukagoshi
1
1信州大学医学部第3内科
1Department of Madicine (Neurology), Shinshu University School of Medicine
pp.130-131
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204015
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- Abstract 文献概要
屈曲性対麻痺とは,下肢が股関節および膝関節で屈曲し伸展不能となつた状態である。かかる状態は長期臥床している患者にみられ,rehabilitationの普及により著明に減少しているが,慢性疾患を主とする病院においてはなおこれをみることがある。
症状および経過 典型的な例では仰臥位と側臥位の中間位をとり,左右いずれかの側で両下肢を屈曲し,一側下肢を強く,他側をより軽度に曲げている(第1図)。中等度屈曲例では屈曲は容易にできるが,伸展はある程度できるのみである。高度な例ではほとんど動かすことめできない完全麻痺となる。足関節の運動は股および膝関節に比べてよく保たれ,屈曲位をとることは稀である。筋萎縮は一般に伸筋に認められ,屈筋は常に緊張した状態にあり,他動的運動により股関節および膝関節を伸展させると逆に屈筋群の収縮がおこり,患者は強い疼痛を訴える。大腿内転筋群も緊張状態にあり,下肢は両膝をほぼそろえた内転位をとりやすいが,稀に内転筋群の緊張の少い例があり,両膝を開いた外転位をとつていることがある。
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