Japanese
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特集 術後感染症
肺結核の外科治療における術後感染症
Contagious complications in surgery of pulmonary tuberculosis
加納 保之
1,3
,
浜野 三吾
2
Yasuyuki KANO
1,3
,
Sango HAMANO
2
1慶応大学医学部外科
2国立療養所村松晴嵐荘第2外科
3国立療養所村松晴嵐荘
pp.853-859
発行日 1965年7月20日
Published Date 1965/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203662
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はじめに
抗生物質の開発により外科手術における感染に関しては一般に関心が薄れてきているように思われる.しかし肺結核手術後におけるリハビリテーション阻害理由の一半は術後感染に関係しているのであり,軽視すべからざる問題である.
肺結核症は代表的な慢性疾患であるが本来感染症であり,その外科的治療にはつねに感染の可能性が存する.肺切除術は化学療法剤の出現により感染性合併症が激減し常用的外科治療法として今日広く実用されているが,しかし現在われわれの持つている化学療法剤が静菌的な効果を有するものである限り菌の薬剤耐性獲得に原因する感染性合併症の発生はさけ難い.したがつて,その対策として感性剤留保の勧奨が行なわれ,適応の選択および手術手技の研究等がなされている次第である.結核性合併症は一般に難治性であり,リハビリテーションに支障を来し,時には致命的な結果をもたらす主要な原因になるものである.実際臨床において重要な手術後の感染性合併症は胸腔内感染によるものである.以下これらを中心とし併せてその他の合併症について,われわれの経験を通じて若干の考察を加えてみる次第である.
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