Japanese
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特集 呼吸器領域の新しい薬物療法
肺感染症(結核を含めて)
Pulmonary Infections(Including Mycobacterium Tuberculosis Infection)
舘田 一博
1
Kazuhiro Tateda
1
1東邦大学医学部微生物・感染症学講座
1Department of Microbiology and Infectious Diseases, Toho University School of Medicine
pp.345-349
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102447
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はじめに
耐性菌の出現と蔓延が世界的な問題となっている.特に呼吸器感染症の原因病原体としては,耐性肺炎球菌,マクロライド耐性マイコプラズマが市中肺炎の原因として,また基質拡張型βラクタマーゼ産生菌,多剤耐性緑膿菌・アシネトバクターなどのグラム陰性菌が院内肺炎・医療介護関連肺炎の原因として,さらに薬剤耐性結核菌が院内感染の原因菌として問題となっている.
一方,耐性菌感染症に対する新しい抗菌薬の開発の遅れが指摘されている.これは世界的にみられる現象であり,米国・ヨーロッパでは学会・行政・企業が連携して抗菌薬開発を促進する仕組みづくりが考案されている.日本は,これまでに数々の世界標準の抗菌薬を創出してきた.しかしその日本企業でさえ新しい抗菌薬の開発を躊躇するという現実に直面している.この問題に対して,2013年に日本化学療法学会が中心となり創薬促進検討委員会を立ち上げ,抗菌薬開発をいかに継続・促進させていくか,産官学が協力した環境創りがスタートしたところである1).本稿では,現在パイプラインとして開発中の抗微生物薬,特に呼吸器感染症に対して重要となる代表的な抗菌薬候補を取り上げ解説する.
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