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症例 83歳 男性
主訴:発熱,咳嗽,息切れ.
臨床経過:糖尿病にて当院の糖尿病センターを通院治療中であった.グリメピリド(アマリール® 0.5mg)1錠(1日1回朝食後)とインスリングラルギン(ランタス注ソロスター®)1日1回 朝10単位投与にて,空腹時血糖値153mg/dL,HbA1c 6.5%にコントロールされていた.11月28日より発熱,咳嗽,息切れを認め,呼吸器内科を紹介受診し,胸部X線写真にて右肺に浸潤影を認めたため,緊急入院した.
入院時現症:身長170.4cm,体重58.2kg,体温38.0℃,血圧122/62mmHg,脈拍86/分,呼吸数22/分.貧血・黄疸・チアノーゼなし,頸静脈怒張なし,頸部リンパ節触知せず,心音純・不整なし,右肺にて大水疱音を聴取,腹部平坦・軟,肝・脾触知せず,腫瘤・抵抗・圧痛なし,下腿浮腫なし.
入院時検査所見:RBC 405万/μL,Hb 12.6g/dL,WBC 14,300/μL,PLT 21.1万/μL.LDH 144IU/L,AST 11IU/L,ALT 10IU/L,ALP 290IU/L,γGTP 18IU/L,Na 137mEq/dL,K 4.1mEq/dL,BUN 22.5mg/dL,UA 7.6mg/dL,CRE 0.98mg/dL,CRP 15.4mg/dL,血糖値 223mg/dL.尿中肺炎球菌抗原陽性,喀痰培養Streptococcus pneumoniae(3+).
入院時胸部画像所見:胸部X線写真(図1A)では,右中肺野に策状影およびその周囲に浸潤影を認める.胸部CT(図1B)では,右中葉に浸潤影を認める.
入院後経過:肺炎球菌性肺炎と診断した.抗菌薬としてスルバクタム/アンピシリン(SBT/ABPC)4.5g/日を点滴投与し,スライディングスケールを用いて血糖コントロールに努めたところ,肺炎は徐々に軽快した.
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