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講座 栄養管理
外科領域における栄養管理(その1)
Nutritional management in sugery
日笠 頼則
1
,
松田 晉
1
Yorimri HIGASA
1
1京部大学医学部外科学教室
pp.1106-1114
発行日 1964年8月20日
Published Date 1964/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203403
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1.基礎的概念
1.代謝面からみた手術侵襲生体反応 生命を維持するためには,外部環境がいかに変化しようとも,"Milieu intérieur"内部環境を一定に保たなければならないことは,Claude Bér-nardによつてつとに提唱されたところである.
生体に対する侵襲は視床下部の交感神経中枢を介して副腎髄質からのアドレナリン,ノルアドレナリンの分泌を促がすが,Cannonはかかる緊急事態におけるHomeostasisの維持には,以上のようなアドレナリン・交感神経系が決定的役割を演じ,内因性に分泌されたそれら体液因子の作用によつて,血圧は亢進し,心搏出力は増大し,気管支は拡張し,呼吸深度を増し,肝からは糖原が動員されて過血糖を来たし,脾からは赤血球が駆出されて,血液の酸素運搬能が増大し,血液の凝固時間も短縮して,生体はそこに当該個体の防衛機序を営むに至るものとした.
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