Japanese
English
講座 患者管理
外科領域における栄養管理(その6)
Nutritional management in surgery (6)
日笠 頼則
1
,
松田 晉
1
Yorinori HIKASA
1
1京都大学医学部外科学教室第二講座
12nd surgical Clinic Kyoto University School of Medicine
pp.224-229
発行日 1965年2月20日
Published Date 1965/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203541
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Ⅱ.外科領域における栄養管理の実際
(3)特殊な条件下における管理方針
(ⅰ)肝腎症候群にさいしての治療対策
術後,それも特に肝,胆道系に対する外科的手術後,それに引続き著明な乏尿,無尿を来たしたようなさいには,まずつぎの二つの場合を考え,それらを鑑別した上,適切な処置をそれぞれ講ずべきである.すなわち,(ⅰ)肝腎症候群としての急性腎不全と(ⅱ)水分・電解質補給の不備,不足にもとずく無尿,乏尿(Salzmangel-Urämie)とである.
いずれの場合にも,血中残余窒素,尿素は増量するから,かかるさいには是非共ヘマトクリット値を測定すると共に血中のNa, Cl, K,予備アルカリ濃度を測定して,第1表のような規準に則つて,そのいずれであるかを決定し,しかる後,前者であれば肝腎症候群に対する適切な処置を,後者であれば適切な水分および電解質,ことにKの補給を講じなければならない.
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