特集 リスク管理
整形外科領域におけるリスク管理
大井 淑雄
1
1東京女子医科大学整形外科
pp.105-109
発行日 1972年4月9日
Published Date 1972/4/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104201
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はじめに
日進月歩の医学の進歩は患者の治療という問題についても,非常に複雑な専門の細分化や新しいparamedicalの職業を生み出した.
リハビリテーション医学を中心とするリハビリテーションの分野でも実に多くのprofessionalの人びとの働きを必要としている.
今や医療は単なる個人プレーで行なわれるべきでなく,チームワークでなされねばならなくなった.しかし雑然とした,密接な関連性を持たない人びとの集りや,職業意識に乏しい人々の集りでは患者のためになるような機能を十分発揮できるはずがない.また最近では患者自身の医療に対する認識も高まり,医療過誤に対する訴訟も増加の傾向にある.このような時に理学療法士協会がみずからのprofessionを再認識するためにリスク管理という問題を提起したのは著者も同感である.整形外科疾患は特に理学療法士とは切っても切れない関係にあるので気づいた若干の点を述べたいと思う.なおリスクとか禁忌のみならず,望ましいという事項も附加させていただきたい.なお本論文の要旨は昭和46年11月23日東京女子医科大学講堂で述べたものである.
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