Japanese
English
検査と診断
胃癌の細胞診について
The cytologic diagnosis of gastric cancer
綾部 正大
1
,
村上 明
1
Masatomo AYABE
1
1鳥取大学医学部
1Dept. of surgery Totori University school of Medicine
pp.517-525
発行日 1963年4月20日
Published Date 1963/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203065
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
診断検査の立場から"胃癌の細胞診"の実際を,実地外科医の皆さんに平易に解説せよとの注文を戴いた.本来,臨床検査法というものは,できるだけ手技が簡単で,誰れでも容易に実施できること,さらにその判定にさいしては,できるだけ主観的因子の介在することが少なく,客観性の大きなもの程理想的であろう.このような点から,細胞診はその普遍性にともすれば不利な立場におかれていたことは否めない事実である.しかし,細胞診の初期の時代にくらべると,種々の改良工夫が施された結果,それ程困難な検査法とはいえなくなつた.しかも,最近のように,非常に初期の病変を発見しようとする努力が,強く払われるようになつてきた現在では,単に簡単安易な診断検査法のみに頼つているわけにはゆかなくなつてきた.
胃癌の細胞診が,レ線診,胃鏡診,胃カメラ診と共に,胃癌診断の上に欠かすことができない重要な検査法として,漸次広く普及しつつあることは,極めて喜ばしいことで今後一層普及発展してゆくことが切望される.
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.