Japanese
English
特集 腹部外科のPhysical Signs
腹部の抵抗と腫瘤
Tumor of the abdomen
綾部 正大
1
,
西村 興亜
1
,
谷田 真
1
Masatomo AYABE
1
1鳥取大学医学部第1外科
pp.427-432
発行日 1975年4月20日
Published Date 1975/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206222
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はじめに
腹部の外科領域において腫瘤あるいは腫瘤様の抵抗を認める疾患は少なくないが,これを正しく認知してその本態が何であるかを決定することは必ずしも容易でない.現今いろいろ高度な検査法や診断技術が開発され,術前に確定診断を下し,悪性腫瘍などについては根治手術の可能性さえ予測しうる場合もある.しかし腫瘤診断の第1歩はやはり綿密詳細な病歴の聴取であり正確な現症の把握にあることに変りはない.
腹部の腫瘤ないし抵抗は患者が自ら気付き主訴として来院する場合もあるが,その他のいろいろの愁訴で来院し医師の診察により初めて発見されることが多い.いずれにせよこのようなphysicalsignsとしての腫瘤の診断は周到適切な問診と熟練した診察により決定できるものであり,われわれ外科医にとつては必須の基本的事項である.
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