特集 細胞診―21世紀への展望
第4章 判定の実際
11.消化器:胃癌の術中腹腔内洗浄細胞診
広岡 保明
1
,
亀井 敏昭
2
,
竹中 明美
3
,
貝原 信明
4
Yasuaki HIROOKA
1
,
Toshiaki KAMEI
2
,
Akemi TAKENAKA
3
,
Nobuaki KAIBARA
4
1鳥取大学医学部第1外科
2山口県立中央病院病理科
3大阪府立成人病センター細胞診断科
4鳥取大学医学部第1外科
pp.1315-1318
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904564
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はじめに
胃癌における術中腹腔内洗浄細胞診(以下CYと略す)は胃癌の予後を示す重要な因子1,2)であることが明らかになり,1999年6月に発行された第13版「胃癌取り扱い規約」3)に採り入れられた.特に,Po,CY(+)の胃癌症例はP1症例と同等の予後を示すと言われており2),胃癌の術中における腹腔内洗浄細胞診は患者の予後を推測するのみならず,術中術後の補助療法を選択するうえでも非常に重要な検査法になってきた.しかしながら,CYの施行に当たっては,①洗浄液の採取部位や方法,②検体処理方法などがすべての施設で統一されているとは言い難い.さらに,③反応性中皮細胞と癌細胞との鑑別,④プレパラート上の癌細胞数の多少を報告することに意義があるのか,など種々の問題点や不明点が指摘されている.
本稿では上記問題点に対する打開策あるいは処置,工夫について述べる.
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