グラフ グラフ解説
胃癌の細胞診
田嶋 基男
1
,
柏田 直俊
1
,
近田 千尋
1
,
下山 正徳
1
,
北原 武志
1
,
三国 昌喜
1
,
木村 禧代二
2
1国立がんセンター細胞診検査室
2国立がんセンター内科
pp.1617-1623
発行日 1965年12月20日
Published Date 1965/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203828
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Ⅰ.Papanicolaou分類に対する見解
(序に代えて)
周知のごとくPapanicohouは悪性腫瘍に対する細胞診断の分類基準として彼のClassⅠ〜Ⅴを提唱している(1941).その分類は記載により明らかなごとく,Atypismを基調としたものである.しかるにClassⅣのみに限り,"Atypical cell few in number"と定義している.本来,定性的な概念である「異型度」の序列の中へfewin numberという定量的な概念を一項目のみに限つて取入れたことは,かなり問題であつて,分類の目的を2分せしめたことにより後に混乱の原因となつた.分類は本来,事物に共通な本質的属性に基づいて系統的に配列することであるから,二つの異質の概念を同一系列に置いた点で,理論的に問題がある.
1954年に到り彼自身ClassⅣを"strongly sugges-tive of malignancy"と訂正したのは当然であつて1941年の定義はすでに彼自身により撤回されたものと見るべきであろう.第4回日本臨床細胞学会総会(昭39)においてClass Ⅳの解釈をめぐつて1941の定義か1954の定義かで見解が分かれたがわれわれは後者をとるべきものと考える.
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