Japanese
English
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神経性進行性筋萎縮症の筋電図所見及びその治療について
On the Electromyogramm and Treatment of the Neural Progressive Mascular Atrophy
田中 淸一
1
Seiich TANAKA
1
1久留米大学医学部整形外科教室
1Orthopedic Department KURUME medical University
pp.661-664
発行日 1954年9月20日
Published Date 1954/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201510
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進行性筋萎縮を起す疾患は多種類あつて整形外科を訪れる患者も相当数に上つている.その中に脳脊髄運動神経支配障碍に因するものと,自律神経支配障碍に因するものとがある.前者の疾患に含まれるものに筋萎縮性側索硬化症,脊髄性進行性筋萎縮症,神経性進行性筋萎縮症等があるが後の二者は殊に混同し易い.私は神経性進行性筋萎縮症の典型的を経験したので本症の診断治療の方面に於て吟味を加えて見たいと思う.この疾患はCharcot-Marieにより1886年に初めて発表され,その後続々と同一疾患の追加報告がなされている.この疾患では好んで腓骨神経領域を侵すので筋萎縮症腓骨神経型(Peroneal-Type)とも言われている.又両下肢末端に対称的に筋麻痺を初発し,躯幹筋は侵されず,四肢近位端を侵さず,下腿の特異の変形を来すため"fat-bottle"、"cham—pagne bottle","Storchenbeine"等と形容されている.これ等筋萎縮症の結果として筋平衡が破れ鷲足,内反足,尖足等の足変形を来す.更に進行すれば上肢末梢が侵され,鷲手"clawhand","monskey fist"等と形容される変形を生ずる.予後は経済的及び教育的条件で不具の程度が異り,自然治癒は考えられず,中には球麻痺にて死亡するものありとの報告もある.
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