Japanese
English
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我が教室での骨盤切除の2例について
Two cases of Resection of Pelvis
福江 正善
1
Masayoshi FUKUE
1
1九州大学医学部第二外科教室
1Surgical Department of Medical School of Kyusyu University
pp.657-660
発行日 1954年9月20日
Published Date 1954/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201509
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緒言
骨盤切除術は臨床上行われることは甚だ稀で,1891年Billrothの第1例以来Ariel(1949)に依れば158例に過ぎない.
本邦に於ても甚だ稀で誌上に発表された症例は僅かに10例前後に止まるものである.この様に手術例数の少いことは術後ショック死を遂げたり或は手術の適応はあるにしても本手術が残酷な手術の様に見えるので,患者の手術決心を制していた為と思われる.又従来はこのショックに対する対策の不充分であつたり術前後の適切な処置を欠いだ為に予後が悪く従つてこの手術を行つても誌上に発表せられていない例も多少はあるものと思われる.最近の化学療法の進歩及び麻酔学の研究に伴つて術後のショックに対する研究も進み,この手術治験例も今後は増加するものと思われる.教室に於ては昭和19年左鼡蹊部扁平上皮癌の為に本手術を施行して治癒せしめた1例があり,又最近右臀部粘液肉腫に対し骨盤切除を行つた例があるので,茲に併せて両例を報告し諸賢の御批判を仰ぐ次第である.
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