Japanese
English
綜説
自発性壤疽の保存的療法—特にノボカインによる腰部傍脊椎交感神経遮断術について
Conservative Treatment for Buergeis Disease.
中島 哲夫
1
,
龜谷 壽彥
1
,
坂口 周吉
1
Tetsuo NAKAJIMA
1
,
Toshihiko KAMEYA
1
,
Shukichi SAKAGUCHI
1
1慶應義塾大学医学部外科学教室
pp.433-438
発行日 1953年8月20日
Published Date 1953/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201283
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
末梢血管障碍,特に自発性壤疽(Srontane Ga—ngraen)及びレーノー病は,われわれ外科医が比較的頻繁に遭遇する疾患であり,しかもその症状の激しい時には,全く生存意慾をなくさせる程患者を苦しめるものであるから,その治療は実地医家のおろそかに出来ないところである.しかるに現状を見るに,本疾患の治療はいさゝか等閑に附されている感がないとは云えない.その大きな原因として考えられるのは,これ等疾患の原因が不明であり,而も決定的治療法がいまだに見出されていないことである.
古来文献中には数多の治療法が見られるが,それを保存的療法と手術的療法にわけて見ると,現在手術的療法としての自律神経系に対する外科的侵襲は,その効果及び再発の問題等に関し未だ種種議論のあるところである.一方保存的療法も結局対症療法の範囲に止るものが多く,根治的療法と考えられるものは先ず見当らない.われわれは年来この問題に些か興味を持ち,その一部は既に発表したが,その後更に種々の保存的療法を行い,2,3の比較的効果があると考えられるものについて,その臨床的効果と,皮膚温測定による効果判定を行つたので,こゝに報告して大方の御批判を仰ぐ次第である.
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.