Japanese
English
薬剤の臨床
副交感神経遮断剤の産科的応用
Application of parasynpaticus blocking medicines in obstetrical practice
吹田 清純
1
,
江口 幸雄
1
Kiyozumi Fukita
1
1倉敷中央病院産婦人科
pp.805-808
発行日 1958年10月10日
Published Date 1958/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201833
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緒言
分娩経過は仮令異常分娩でなくても分娩時間が遷延する事はわれわれ産科医にとっては気がかりになり産婦自身の苦痛をも長びかせて好ましい事ではない。分娩を促進させるためには子宮収縮作用と共に産道下部の弛緩も考慮されなければならない。最近副交感神経遮断作用を持つ薬剤が腸管,胆管,尿路,女子生殖器に作用し痙攣を緩解する点から内科的治療,レントゲン撮影等に応用されてきた。此の副交感神経遮断作用はアトロピン等と異り,神経節に特異に作用し眼,涙腺,唾液腺,心臓等には極めて弱くその副作用は殆どないと云う利点を持つと云われている。産科的にも此の作用から子宮口の痙攣を緩和し子宮口の開大促進,分娩時間の短縮をはかる上に応用出来るわけである。私達はドイツC.H.ベーリンガーゾーン社から発売されているヒヨスチンNーブチルブロマイドを合成したブスコパンを使用した50例,又同様副交感神経遮断剤として消化性潰瘍に用いられているトロピンはD.L.トロピルトロペートNメチルブロマイドでその作用も前者と類似するものと考え,トロピンを用いた50例,計100例について実験を行つたのでその結果を報告する。
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