Japanese
English
綜説
結核性亞全膿胸に対する肋膜外肺切除の経驗
Experience of entrapleural pneumonectomy for tuberculous subtotal empyema.
西 純雄
1
,
岡野 煕
1
Sumio NISHI
1
,
Hiroshi OKANO
1
1國立岡山療養所
pp.439-441
発行日 1953年8月20日
Published Date 1953/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201284
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結核性膿胸の治療方針については,從来しばしば青柳教授や,馬場,八塚,房岡博士等により述べられてきたが,全膿胸又は,之に次ぐ広大な腔を布するものゝ治療成績は満足すべきものではない.結核性膿胸の治療にあたつては,気管支瘻の有無,混合感染の有無と共に,肺病巣の状態を常に考慮しなければならぬ事は周知の通りであるが,肺病巣がなお活動性である時は症例によつては,肋膜嚢剔除と共に肺切除を行つたならばどうかという事も,念頭に浮んでくるだろう.かゝる考えは肺切除が,かなり安全な手術となつた昨今に於てのみ,実施可能となつた問題である.外國ではすでに,Sarot,Overholt,Santy,Jos Daum,Robertpanier & Cotton等の報告があり,本邦では八塚博士等により始めてその良好なる成績が発表されている.我々は國立岡山療養所に於て,結核性亞全膿胸を有し,肺の再膨脹は不可と考えられる患者に,肋膜外肺切除術を施行し,経過良好であったので報告する.
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