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特集 Cancer・2
胸部食道癌の手術—胸部食道全剔出胸壁前食道胃吻合術
Operation of Thoracics-esophageal Gancer
中山 恒明
1
Komei NAKAYAMA
1
1千葉醫科大學
1Chiba Medical College
pp.229-233
発行日 1950年5月20日
Published Date 1950/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200643
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緒言
ごく最近まで胸部食道癌特に上部並に中部食道癌は手術的に完全に剔出する事は不可能な疾患の如くに考えられて居た. しかし最近の10年間に米國に於ては目覚しい進歩を見せた. それは米國の化学藥品の進歩と麻醉の進歩並に乾燥血漿等「シヨツク」に対する処置の進歩に負う所大である. そして米國に於ては胸腔内での食道胃吻合術が一般法として施行せられている. しかしその場合起るべき縫合不全は患者を死の轉機に逐いやるものであつて胸部食道癌で胸部食道を全剔出又は亞全剔出が必要である様な場合には今日でも死亡率は20%以上である. 私は本邦で在来行はれて居る麻醉の方法で日常我々が使用し得る藥品を使用してしかも食道と胃とを吻合し仮令縫合不全が来ても生命の危險のない方法を工夫した. それが胸部食道全剔出胸壁前食道胃吻合術であつて以下私の手術法と共に私の症例を記載して参考に供する次第である.
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