特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
4.食道手術
胸部食道癌手術
小澤 壯治
1
,
安藤 暢敏
1
,
北島 政樹
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.66-72
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902450
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胸部食道癌に対する手術・術式の選択には,癌の進行度と患者のリスクの両者を十分に検討する必要がある.食道癌の進行度は深達度,リンパ節転移,臓器転移を中心に決定されるので,胸部X線検査,食道造影検査,上部消化管内視鏡検査,超音波内視鏡検査,頸部・胸部・腹部CT検査,頸部・腹部超音波検査を行う.重複癌の除外と,再建候補臓器の検査目的で注腸も行う.リスク評価のためには,右開胸による一期的切除再建術が標準術式であるので,肺・心・肝・胃などの重要臓器機能検査として,動脈血液ガス分析,肺機能検査,心電図,ICG負荷試験,糸球体機能検査(クレアチニン・クリアランス),75g-OGTTなどを行う.また,術前準備として栄養管理と呼吸管理がとくに重要である.
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