特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
4.食道手術
胸部食道癌手術
小澤 壮治
1
,
安藤 暢敏
1
,
北島 政樹
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.69-74
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902022
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胸部食道癌手術では開胸開腹という大侵襲が加えられるので,手術成績を向上させるためには無駄のない合理的な手術操作とともに周術期の管理が適切に行われることが要求される.なかでも教室では,呼吸・循環・栄養管理を食道癌術後管理の三本柱と考え特に重要視している.呼吸管理では,術後の遷延性低酸素血症を乗り切るために機械的呼吸補助を行う.循環管理では,術後早期の循環血液量の減少と術後腎機能低下を予防するために術直後から第1病日までは十分量の輸液を行い,refilling期の第2〜第3病日に輸液量を制限し,第4病日以後は維持量を投与する.栄養管理では,蛋白代謝が同化相へ移行する第4病日にfull strengthになるように,第1病日から中心静脈栄養を開始する.
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