Japanese
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臨床研究
胸部食道癌に対する胸部食道亜全摘・右胸腔内高位食道胃吻合術の治療成績
Subtotal esophagectomy and high intrathoracic esophagogastrostomy for carcinoma of the intrathoracic esophagus
高木 巌
1
Iwao TAKAGI
1
1愛知県がんセンター病院胸部外科部
pp.815-820
発行日 1992年6月20日
Published Date 1992/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900838
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はじめに
消化器癌切除術後の再建経路は,切除した臓器の元の位置を通すのが最も生理的である.胸部食道癌切除術後においても,後縦隔または胸腔内による再建が理想的とされながらも,主に切除範囲に制約があると考えられてきたことと,縫合不全が発生した際の危険性のために,胸壁前または胸骨後経路による再建が優先されてきた.しかし,著者らは1975年以降ImEi食道癌に対する標準術式を上縦隔—腹部への広汎なリンパ節郭清を伴う胸部食道亜全摘・右胸腔内高位食道胃吻合術とすることにより切除の制約を除き,EEAによる器械吻合の採用をはじめとした手術手技,術後管理の工夫により吻合部縫合不全による危険を減少させた.また,本治療方針により切除再建を行った症例の術後quality of lifeが他の切除再建術式を行った症例に比べ良好なことを報告してきた1〜3).
今回,著者は本術式を施行した症例の遠隔成績を中心とした治療成績を報告し,胸部中下部食道癌に対する胸部食道亜全摘・右胸腔内高位食道胃吻合術が他の切除再建術式と比べ,勝るとも劣らない術式であることを訴えたい.
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