Japanese
English
--------------------
高度の脊柱攣曲を伴うRecklinghausen氏病
A Case of Recklinghausen's Disease with Severe Scoliosis
諸富 武文
1
,
松浦 龍二
1
Takebumi Morotomi
1
,
Ryuji Matsuura
1
1國立小倉病院整形外科
pp.99-102
発行日 1949年3月20日
Published Date 1949/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200426
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
皮膚に多發する神經よりする腫瘍をRecklinghausen(1882)は組織學的に檢査し,これ等の纖維腫は皮膚末梢神經の神經鞘及び外神經鞘の結締織より發生するものとし,Neurofibromと命した。これよりして本腫瘍をRecklinghausen病と呼稱せられる樣になつた。その後Verocay(1910)は詳細に組織檢索を行い,本腫瘍の細胞は主として無髄神經のSchwann氏鞘細胞より出るもので,神經纖維は腫瘍内にあつて分裂するが變性等の變化なく,只結締織が増殖するので,從つて腫瘍が増大するのであるとし,本腫をNeurinomと命名した。これよりして本腫瘍をNeurinomotose nach Verocayとも呼稱する樣になつた。Landwskiは皮膚腫瘍,神經腫瘍,色素沈着を本症の主徴候となし,確居氏等によれば,皮膚に多發する結節性小腫瘍群,色素沈着,骨の變化が三主要症候と云はれている。然乍ら,本症の本態に關しては諸説があつて一定していない。尚本腫瘍が巨大になつたものを瓣状象皮病(Volkmann),軟性象皮病(Virchow),神經象皮病(Brun)等と呼稱している。私等は最近定型的な本症の2例を經驗し,1例は瓣状象皮病,高度の脊柱彎曲,腫瘍は肉腫變性中と云ふ症状を有つた極めて興味ある症例を得たので後者に就き述べようと思う。
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.