特集 頸動脈毬
頸動脈毬(腺)の外科提唱に就いて
中山 恒明
1
1千葉醫科大學
pp.6-7
発行日 1947年10月20日
Published Date 1947/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200253
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今春の外科學會の演題にこの頸動脈毬剔出に關する演題が21題集つた由であつたが,小澤會長が100例以上の經驗を述べる演題のみを取り上げた由で實際に學會で演説せられたのは其の5題であつた。これに演題として取り上げられなかった各教室から澤山の追加報告があつた。この學會で小澤會長から本年の解剖擧會でこの臟器を頸動脈毬と呼ぶ事に決定した由通告せられたので,私もこの臟器を解剖學會の決定に基いて頸動賑毬と呼ぶ事とする。私はかく廣く恩師瀨尾教授並に私が昭和17年11月東京外科集談會に於て初めて投げた石が擴がつて日本全國にこの樣な反響を得た事に對して地下の恩師の靈も勿論の事と思ふが私も心から嬉ばしく感ずると共に本手術法が正しい術式に依つて正しい意味に於て施行せられん事を希望してやまないのであつて,本年の外科學會に於て追試,御報告を戴いた諸賢に心から感謝すると共に其の際感じた事並に最近私が耳にした種々の間違に對する處置及び本臟器の機能並に除去に依つて得られる所見と現在行はれて居り確に效果があると考へられる諸點に就いて簡單に綜説的に書いて見る。
私が既に2,3の雜誌に書いてある通りに本毬剔出が臨牀的に或種の疾患に確かに效果があると氣付いたのは特發性脱疸患者に本毬剔出を行ふと確かに疼痛の減少もしくは消失がある。
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