診療室
子宮癌末期の疼痛と頸動脈毬
秦 良磨
1
1廣島醫科大學
pp.104-106
発行日 1951年3月10日
Published Date 1951/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200456
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子宮癌末期の患者が訴えるたえがたい疼痛に對する虚置には,消極的には藥物ことに麻藥の投與が,積極的にはコルドトミー,Cotte氏手術あるいはDogliotti氏蜘蛛膜下アルコール注入法が行われている。積極的方法のとしてはコルドトミーがもつとも合理的でかつ効果もすぐれているが,わが領域ではあまり行われていないのは,手術手技の點で一般婦人科醫には近づき難い感を與えるからであろう。Cotte氏手術はしばしば行われ,著効を奏することもあるが開腹を要するので,衰弱した患者にはどうかとおもわれることも多い。いちばん操作のかんたんなのはDogliotti氏法であるが,ときに卓効を示すとはいえ,一般に効果の持續が短いのみならず,諸種の障害を件うことが多いので,あまり感心できない場合が多い。したがつて一般には,とくべつの場合を除いては,通常麻藥の投與をつづけて成行にまかせるというのが實状のようである。
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