Japanese
English
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カウザルギーに対する頸動脈毬剔出術の効果
The Effect of the Exlirpation of Casotid Glomus Towards the Causalgia
久野 一郞
1
Ichiro KUNO
1
1劉外科病院
1Ryu Medical Hospital
pp.632-633
発行日 1949年12月20日
Published Date 1949/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200570
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1. 緒言
余は最近ピストルに依る左上膊貫通銃創兼左上膊動脈,左正中神経損傷に依りカウザルギー症状を呈せる1例に遭遇せり. 該疾患は植物性神経機能失調に基因すと思惟せられ,この際治療法として從來交感神経切除術施行せられたり. 最近即ち昭和22年9月阪大竹林弘氏等の報告を最後としJames, A. Evans, Middeldorff, Coenen,岡崎,緒方氏等十二氏の頸胸部交感神経切除術の報告あり,その成績は有効なりと称するものあるも亦,無効例勘からず経驗せられたり. 從つてその効果必ずしも一定なりと云う可からず. 頸動脈毬の作用機轉の本態に就ては今日尚未解決の点多々あるも,斎しく植物性神経機能失調症に関聯ありとせらる. 故に本疾患に対する頸動脈毬剔出術は又用うべき治療法なりと思考せらるゝも,その文献なきを以て該手術を施行せるに幸い著効ありと報告すべき價値ある成績を得たり. 將來カウザルギーの症例の増加と共に御追試を得ば本術式が可なりや,交感神経切除術が可なりや,その効果の判定は自ら定まるものならんと思考し,爰に経過の概要を報告し大方の御批判を仰がんとす.
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