Japanese
English
臨床報告
集学的治療が奏効した乳腺原発血管肉腫肝転移の1例
Effective combined modality treatment of primary breast angiosarcoma with liver metastasis
小林 隆司
1
,
藪下 和久
1
,
竹下 雅樹
1
,
堀川 直樹
1
,
上村 良一
2
,
岡田 栄吉
3
Takashi KOBAYASHI
1
1高岡市民病院外科
2高岡市民病院放射線科
3高岡市民病院検査科
キーワード:
乳腺悪性腫瘍
,
血管肉腫
,
weekly Paclitaxel
,
転移性肝腫瘍
Keyword:
乳腺悪性腫瘍
,
血管肉腫
,
weekly Paclitaxel
,
転移性肝腫瘍
pp.605-609
発行日 2014年5月20日
Published Date 2014/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105054
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要旨
症例は42歳,女性.乳癌検診にて左E領域に腫瘤を指摘され,精査にて鑑別困難と診断された.経過観察となったが再受診せず,5か月後に左乳房の腫脹を自覚して来院した.再診時は左E領域中心に6 cm大の腫瘤があり,諸検査にて軟部組織由来の悪性腫瘍が強く疑われ,左乳房切除術を施行した.病理検査にて血管肉腫と診断され経過観察となったが,術後4か月目のCT検査で多発性肝転移が出現した.術後早期の再発であり,化学療法としてweeklyパクリタキセルを開始した.治療効果はPRであり,新病変の出現もなく,残存腫瘍に対して肝切除術を施行した.乳腺原発血管肉腫はきわめて稀な疾患であり,再発後の予後は不良とされている.今回,乳腺原発血管肉腫の肝転移に対して集学的治療が奏効した1例を経験したので報告する.
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